研究課題/領域番号 |
25650105
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野村 暢彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292520)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 細菌 / 細菌シグナル / メンブランベシクル / アシル化ホモセリンラクトンのシグナル |
研究概要 |
初年度は、環境サンプルからのメンブランベシクルの調整法の構築とその中に細菌シグナルが存在するかを確認した。あらたな汚泥から、ベシクルを分離精製した。得られたベシクルについて、詳細に解析を進めた。その結果、メンブランベシクル画分の存在が超遠心分離法により確認出来た。それらについてさらに電子顕微鏡観察により粒子形状を確認すると多くは球状のものがほぼ全てであった。 次に、得られたメンブランベシクルに細菌シグナルが存在するか否かを調べた。その結果、アシル化ホモセリンラクトンのシグナルが存在する事が示された。具体的には、シグナル感受性細菌をもちいたアッセイを行った。得られたメンブランベシクルをそのまま解析したところ、興味深いことにそのメンブランベシクルにシグナルの存在による陽性結果が得られた。よって、環境中から分離そして単離された細菌メンブランベシクルに細菌の相互作用に関与するシグナルの存在が示された。 本成果より、環境サンプルからの細胞外マトリクスからのメンブランベシクルの調整および精製技術が確立できたと言える。また、環境サンプルから得られたメンブランベシクルにも細菌シグナルの一種であるアシル化ホモセリンラクトンが存在する事が示された。 以上より、初年度において環境サンプルからのメンブランベシクルの調整・精製手法の構築に十分な目処がたった。また、得られたメンブランベシクルに細菌シグナルが存在する事を示すことに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環境サンプルからメンブランベシクルの調整・精製手法の構築がなされ、今後の種々環境サンプルからのメンブランベシクルの調整・精製に目処がたった。 さらに、今回の環境サンプルからのメンブランベシクルに細菌シグナルのアシル化ホモセリンラクトンが存在してることが確認出来たため、今後の環境サンプルからのメンブランベシクルの取得とともにそこに細菌シグナルが存在する可能性が高いことが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
自然界の環境サンプルから細胞外画分を抽出しさらにそこからメンブランベシクルの精製に成功したので、さらに種々の環境サンプルから同様にメンブランベシクルの取得・精製に挑む。そして、得られた環境由来のメンブランベシクルに細菌シグナルが存在するか否かを詳細に調べていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
十分な成果が得られ、さらに当初目的を目ざし研究を遂行するため。 引き続き、目的達成のための研究を遂行するため物品費の使用、さらに最終年度における成果発表のための学会参加の旅費等さらに論文投稿料などを計画している。
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