• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

土壌プロテオミクスによる自然環境下の細菌個生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25650139
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関北海道大学

研究代表者

笠原 康裕  北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (20273849)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードメタプロテオーム / 土壌細菌 / 個生態学
研究概要

複雑な土壌環境でのPseudomonas putida F1株の環境応答として土壌環境でのみ特異的に発現する遺伝子の解析を行った。P. putida F1株の土壌培養系と液体培養系に対して、比較プロテオーム解析を行い、土壌環境特異的な発現タンパク質の検出および解析を行った。P. putida F1株は、0.5%グルコースを添加した土壌(大豆畑、コーン畑、森林)に接種し、3日間、30℃で培養した。土壌内のF1株からのタンパク質抽出は、密度勾配遠心分離法とSDS-フェノール法を用いて行った。抽出タンパク質は1D SDS-PAGE後、質量分析計およびMascot検索を用いて同定した。プロテオーム解析により、大豆、コーンおよび森林土壌において、それぞれ1364、1273、816タンパク質を同定した。比較解析より、土壌特異的に発現する2つの遺伝子および1オペロンを特定した。それら遺伝子は、一酸化窒素ジオキシゲナーゼおよび機能未知遺伝子を含んだ。一方のオペロンは、二成分制御遺伝子を含む7つの遺伝子で構成された機能未知のオペロンであった。この土壌特異的オペロンについて系統解析を行った結果、主にプロテオバクテリア門に保存されている遺伝子群であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Pseudomonas putida F1株において土壌特異的遺伝子を検出することができ、土壌環境に応答した遺伝子群であることを見いだした点が評価される。枯草菌についてはグラム陽性菌のためか土壌からのタンパク質抽出が困難である。抽出法の検討が必要事項である。

今後の研究の推進方策

土壌蛋白質の直接抽出法の確立を行う。土壌蛋白質試料は質量分析計の流路系のトラブルを招くことが多いため、解析法の改良を試みる。並行してP. putida F1株より見いだした土壌特異的発現遺伝子の発現因子を見つける。

次年度の研究費の使用計画

25年度の計画として、土壌タンパク質についてプロテオーム解析を行う予定であったが、質量分析計の不調が続いたため、十分な解析ができなかった。
26年度は予定通り、プロテオーム解析を行っていく。システムが古いための不調もあり得るため、制御パソコンの交換や質量分析計の流路系、カラムの検討など行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Gene expression profiling of Pseudomonas putida F1 after exposure to aromatic hydrocarbon in soil by using proteome analysis2013

    • 著者名/発表者名
      H. Morimoto, M. Kuwano and Y. Kasahara
    • 雑誌名

      Archives of Microbiology

      巻: 195 ページ: 805-813

    • DOI

      10.1007/s00203-013-0932-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 根粒菌シグマ因子RpoH1の制御を受ける機能未知遺伝子の鉄硫黄タンパク質生合成へ の関与2014

    • 著者名/発表者名
      佐々木祥平、門屋亨介、笠原康裕、南澤究、三井久幸
    • 学会等名
      第8回日本ゲノム微生物学会
    • 発表場所
      東京農業大学(東京都世田谷区)
    • 年月日
      20140307-20140309

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi