本研究は、従来までの研究で明らかになっていたアミノ酸窒素同位体比を用いた生食連鎖栄養段階推定方法に関して、微生物が介在する腐食連鎖の観点を入れた「代謝マップ」の概念で整理することを目的とした。具体的には、陸上生態系においては植物遺体-菌類-土壌動物の系について、水域生態系においては湖沼における粒状有機物の分解系について、その動態を調べた。その結果、微生物の関わる腐食連鎖系においては、フェニルアラニンとグルタミン酸の窒素同位体比の動態が異なることがわかり、食物網構造の研究については十分な注意が必要なことがわかった。
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