研究実績の概要 |
これまで本研究課題で得られた知見は, YUCCAファミリーは総じて基質特異性が緩い酵素タンパク質であるにも関わらず, TAAとYUCCA によるオーキシンの生合成系はTrpに対しての親和性が非常に高く, 種々のアミノ酸が混在する条件下でもTrp を基質にIAAを選択的に合成するというものであった。すなわち同一細胞内でのTAAとYUCCAの協調した働きがIAA生合成において重要であることが示唆されたものの, 実際に細胞内で「TAAとYUCCAが(共局在などを介して)近接してIAA生合成を行っている」という点が明確にされていなかった。H27年度は, 補助事業を1年間延長し, H26年に続いてリコンビナントタンパク質を用いた免疫沈降法や酵母two-hybrid法によってTAAとYUCCAの相互作用の可能性を検討したが, 両者の相互作用は観察されなかった。一方, 本研究課題の前半部分で得られたYUCCAの基質特異性に関する結果を含む成果を学会誌Plant Cell Physiol. に発表した。
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