小型熱流束センサーを,針葉樹と広葉樹に装着し連続測定を行った。既存の樹液流速度の計測機の値と比較した。検出データは樹種の違いにかかわらず一定の傾向を示した。晴天で蒸散が活発な時間帯は、熱流束の値は外気から樹幹内方への動きを示し、蒸散が停止する夜間には逆方向の熱の移動があった。外樹皮が厚い樹種では値の変動幅が小さくなった。実用化の前に装着時の課題として検討する必要がある。研究用の樹液流速計では,樹幹に金属棒を刺して加熱するため,植物生理への影響も懸念される。熱流束センサーで樹液流速度の低下や停止を伴う樹木病害のモニターに利用可能と判断された。樹木医が街路樹の診断に使えるように製品化を考えたい。
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