本研究の第一の目的は、DNA断片からバキュロウイルスゲノムを人工合成する技術を確立することであり、これは多様な分野で利用されているバキュロウイルスの遺伝子構造を改変して、その有用性を高め、更なる高次利用を展開するためには不可欠な技術である。本研究ではまず、カイコバキュロウイルスゲノムDNA(BmNPV/bacmid)に酵母での複製起点(Yori)を導入し、大腸菌および酵母で複製可能であるBmNPVゲノムを作出した。次に、Yoriを含むBmNPVゲノム全域をカバーする21DNA断片を大腸菌にクローニングし、これらの断片を酵母細胞内に導入して、連結させることに成功した。
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