極体核由来細胞の数と分布について調べた所、大半の極体核由来細胞は、極体が退化消失する部位である卵の前極付近の背側に分布することがわかった。極体特異的マーカーを用いたPCR解析の結果、胚発生初期(stage 8)の卵では極体の存在が確認されたが、漿液膜の消失するstage 25の卵では極体の存在は確認されなかった。極体由来細胞をDsRedにより可視化し、その発生運命を追跡した所、卵黄細胞中にDsRed陽性細胞が見られたが胚子には認められなかった。以上の結果、極体核由来細胞は胚体外組織である漿液膜や卵黄細胞への分化能を有するが、胚子を構成する細胞には分化し得ず胚発生には寄与しないことがわかった。
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