アブラヤシの生産拡大は近年における熱帯林とそこでの生物多様性の減少の大きな要因とされるが、本研究ではマレーシアの減農薬アブラヤシ園に生息するアジアツムギアリの個体群動態と巣の分布様式を基礎的に研究する。本種を害虫防除資材として用い環境保全と低コスト生産の両立の可能にする方法開発に繋げたい。巣のカウントによるワーカー密度の推定法を開発した。DNA分析で平均コロニー内血縁度0.49と推定し、部分的多女王または女王多回交尾が示唆された。樹木当たりの巣数の分布様式は、奇数または素数に大きく偏るという事前研究の結果は指示されなかった。樹当たりの生息(営巣)アリ種数を観察し10種以上が確認された。
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