薬物の心毒性は、創薬の開発中止・市販薬のリコールの重要な原因となっており、そのアッセイ系、特に開発早期段階のin vitroアッセイ系の確立は製薬業界から大きな期待が寄せられている。今回、多電極アレイ(MEA)システムとソニー株式会社が開発した動くベクトル(MVP)法を用いて、心筋細胞の電気活動と収縮能を同時にアッセイするシステムを構築した。ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いて、陽性・陰性変力作用をもつ既存薬の作用を高精度にアッセイできることを確認した。最近抗がん剤の心毒性が問題となっているが、同心毒性をin vitroでアッセイすることができた。
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