ヒトのみに特異的に感染する百日咳菌の病原性を解析できる感染動物モデルを作製するため、百日咳菌と同属細菌で遺伝子の多くを百日咳菌と共有し、かつ種々の実験動物に感染する気管支敗血症菌のゲノム断片を百日咳菌に導入して、実験動物に感染する百日咳菌を作出することを計画した。本課題では、その第一段階として百日咳菌で安定維持される人工染色体の作製を試みた。百日咳菌由来のプラスミドを改変する方法と、大腸菌人工染色体を改変する方法の、2種の方法で作製したベクターはいずれも百日咳菌中で安定に維持されたが、長鎖 DNA 断片 (30 kbp ~) の挿入効率が低かった。現在この点について、改良を試みている。
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