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2013 年度 実施状況報告書

分子標的癌予防の実用化に向けて;安全かつ効果的な癌予防ジュースの創製の試み

研究課題

研究課題/領域番号 25670321
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

増田 光治  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (10305568)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード癌予防 / 大腸癌 / ジュース / 天然物 / 複合成分
研究概要

提供された種々の天然ジュースについて、コロニー形成抑制試験を行い細胞増殖抑制能を比較、順位付けした。また、フローサイトメーターを用いた細胞周期解析を行い、G1期停止作用が明確であったものはRPタンパク質のリン酸化状態(RBタンパクの活性化)についてwestern blot法で確認した。更に、外因性TNFα惹起によるIL-6産生量を指標とした抗炎症能評価も行い、炎症反応惹起前からサンプル添加した場合の抗炎症能の強さを比較、順位付けした。これらin vitro評価系での結果一覧から、最初の段階である大腸癌細胞レベルで、コロニー形成抑制能が強く、RBタンパク活性化を認め、且つ、抗炎症能効果を認めたジュースを複数選択できた。
今研究に用いた天然ジュースはいわゆる果物果汁であり、薬や天然物からの精製成分など単一成分の大量投与と比較して副作用のリスクがきわめて低い安全な食品で、準備コストでも薬などと比較して大変安価である。
一方で、癌予防効果の評価は癌抑制遺伝子RBという発癌に最も重要な遺伝子の働きに着目した「分子標的癌予防」の概念に基づいており、主たる作用機序が明確であるという利点がある。同時に、一般的な発癌リスク因子である炎症を押さえる効果を付加することで、より効果的な癌予防ジュースの作成を目指している。
天然ジュースを用いた分子標的癌予防の概念に基づく大腸癌予防研究が成功すれば、食を通して科学的に、廉価に、癌予防を実践するための模範研究となり得る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画通り、個々の天然ジュースについてin vitro評価を行った。
すなわち、大腸癌細胞株を持ちいて、コロニー形成抑制試験による細胞増殖抑制能、細胞周期解析とRBタンパク質のリン酸化状態、及び、抗炎症能評価を行った。
これらの結果より、総合的に癌予防効果の強い、複数のジュースを選択した。
しかし、選択した複数のジュースの混合ジュースについても同じin vitro評価系で効果確認が必要と判断し、評価実験を追加した。

今後の研究の推進方策

初年度の研究で選択した天然ジュースを用いて、in vivo評価を行う。
まず、マウス大腸化学発癌モデルを用いて、生体での天然ジュースの癌予防効果とその作用機序を検証する。このモデルで癌予防効果とin vitro研究と同様の作用機序が確認できた天然ジュースは、更にヒト家族性大腸腺腫症モデルマウスでポリープ形成抑制に対する有効性評価を行う。

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公開日: 2015-05-28  

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