本研究ではT細胞レセプター(TCR)を手掛かりとした自己抗原特異的なT細胞免疫応答の解析を目的とした。方法としては、次世代シークエンスを用いたRA患者末梢血と滑膜のCD4陽性T細胞のシングルセルトランスクリプトーム解析とTCRの配列解析により、増殖傾向の強いCD4陽性T細胞の表現型を解析した。その結果、RAの病勢と関連のある細胞集団がCXCR4陽性のメモリーT細胞であり、CXCR3陰性CCR6陰性CXCR5陰性細胞に属するCD4陽性T細胞クローンが、関節でCXCR4陽性で老化した表現型を取ることを明らかとした。本研究によりRAの病態に関与するT細胞クローンの動態の知見が得られた。
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