膵には副交感神経終末が投射し、膵外分泌、インスリン分泌に関与している。一方、これらの非侵襲的評価法がないため、早期診断・治療が困難である。本研究は、副交感神経系神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素阻害剤塩酸ドネペジルを標識したC-11 Donepezil(C-11 DNP)をプローブとしたPET検査の有用性について検討した。ラットでは、膵、副腎、腸管でC-11 DNPの高集積が認められ、かつ採取組織でアセチルコリン分解酵素濃度が高いことが確認された。ヒトでは、膵、心筋、腸管で高集積であった。本研究は、C-11 DNP PETが膵の副交感神経機能診断法となりうることを明らかにした。
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