肝虚血再還流障害は肝移植において重要な克服すべき問題である。T細胞およびマクロファージの相互作用を受けることより、我々はT細胞上に発現するTim-3と糖鎖結合蛋白であるGalectin-9(Gal-9)経路の制御システムに着目した。マウス肝虚血再還流障害におけるGal-9の変動を明らかにし、外因性にGal-9投与すると虚血再還流による障害が改善した。またGal-9欠損マウスにおいてはその障害は増悪し、外因性Gal-9投与により改善することを確認した。生体内におけるGal-9のホメオスターシスを維持する保護作用を見出し、Gal-9投与が肝虚血再還流障害に対する新たな治療法になる可能性を示した。
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