iPS細胞は心筋再生治療を可能にすることが期待されている。iPS細胞由来心筋細胞移植療法の問題の一つが、iPS細胞に対する宿主免疫反応である。本研究では、iPS細胞の免疫原性を明らかにし、他家移植における免疫抑制剤の使用や、間葉系幹細胞の併用移植の有用性を検討した。 iPS細胞移植における免疫反応の評価に関して、抗体価の測定、リンパ球混合培養試験を行った。その結果、iPS細胞由来心筋細胞は未分化iPS細胞と比べて抗原性が低いことが示唆され、同種他家由来iPS細胞移植の免疫寛容の誘導に関して、通常の臓器移植と同じ免疫抑制剤の使用や、骨髄間葉系幹細胞併用移植が有用である可能性が示唆された。
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