脳死ドナー不足のため、本邦では生体肺移植の占める役割が大きいが、血液型不適合やドナー特異的抗体(DSA)陽性により実現できないことも多い。従って、腎臓や肝臓移植にならい、血液型不適合やDSA陽性症例での生体肺移植の実現を目指した研究が急務である。近年、肺移植後のDSAや抗体関連拒絶が世界的に注目され始めたが、治療法を含め確立した概念がない。こうした状況の中、本研究では、肺移植後のDSA産生や抗体関連拒絶の頻度、治療につき、多角的に検討した。本研究の解析結果から、de novo DSAの頻度、出現時期、検出期間、そのタイプについて、生体肺移植と脳死肺移植に違いがあることが判明した。
|