虚血部位では酸性化が伴う。しかし、酸性pHに対する神経系細胞の応答とその機構は不明である。本研究では脳の機能制御におけるOGR1ファミリ-受容体の役割を調べた。受容体欠損マウスの中大脳動脈閉塞再灌流による解析、また、ミクログリア、神経細胞のモデル系細胞としてN1E115細胞での酸性pH応答機構を解析した。その結果、TDAG8が脳虚血再灌流後の脳傷害に保護的に機能していること、その作用にミクログリアの関与が示唆された。また、神経細胞ではOGR1がnNOS/cGMP系にかかわっている可能性が示唆された。このように、OGR1受容体ファミリーは脳機能制御に受容な役割を担っている。
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