角膜内皮炎を始めとした種々の角膜内皮障害は、眼圧上昇や水疱性角膜症の発症の誘因になり不可逆性の視力障害を来し得る。そこで眼圧上昇や角膜内皮炎の臨床的関連性からこれらがいかにネットワークを形成しえるかに着目し、そのコンセプトに関わる機序を明らかにした。とくに角膜内皮は、ウイルス感染に際して自然免疫系に加えて獲得免疫系の賦活化の機能をもつことが判明した。一方、角膜内皮は、ウイルス感染や炎症により頑強な自然免疫応答を誘導したが、これにより誘導されえるメディエータは、二次性緑内障の特徴的所見と関連し、線維柱帯リモデリングを介して二次性緑内障に関与する可能性が示唆された。
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