本研究の目的は,外国人患者のニーズと彼らへのケアに伴う日本人看護師の感情体験を明らかにし,両者の関係構築の実態を浮き彫りにすることである. 文献検討では,文化的な介入プログラム(教育介入,QOLの向上を目的とした直接介入,長期に渡る服薬管理)において,知識量の増加,生理学的所見の改善,服薬アドヒアランスの向上がみられることが明らかとなった.在日外国人を対象としたグループインタビューでは,外国人に対する受診システムの情報提供の不備,看護師・医師の先入観の存在等が明らかとなった.日本人看護師の感情体験については分析途中であるが,看護師の批判的思考態度と外国人患者に対する感情との関連が示唆された.
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