研究課題/領域番号 |
25670971
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 いずみ 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10195977)
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研究分担者 |
堀 洋 大阪市立大学, 公私立大学の部局等, その他 (90574715)
藤田 直人 広島大学, その他の研究科, 講師 (90584178)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 内診 / 技術 / 助産師 / 可視化 / 生体モデル |
研究実績の概要 |
分娩進行を診断する重要な要素である「子宮口開大度」「児頭下降度」「子宮頸管展退度」「子宮口の位置」「子宮口の硬さ」の診察に関して、「内診」に代替しうる客観的診断方法は開発されていない。助産師が自律して「助産外来」や「院内助産」を実施するためには正確な分娩進行を診断可能、かつ女性への心身の苦痛を最小限にする熟練した内診技術が不可欠である。そこで1:助産師の内診技術の客観的習得状況と臨床経験や教育背景の関連を明らかにすること。2:助産師の医師が活用できる非侵襲内診教育モデルの開発につなげる基礎データを蓄積・構築することを目的とした。 10か所の病院で103人の助産師に、わが国で開発された内診指の位置をリアルタイムに可視化可能にした内診生体モデル(神戸大学版内診バーチャルリアリティモデルLM905)を使用し、助産師の内診技術の評価を実施した。分娩介助例数と助産師の経験年数との関係を分析した。 実験に参加した助産師103名の内訳は、経験年数0年から3年40人、4年から6年15人、7年以上48人であった。分娩介助経験は1件から99件44人、100件以上59人だった。内診に関する教育背景は、教科書のみの学習48人、子宮口開大モデルを用いた学習53人、内診モデルを用いた学習2人であった。 正解率が高い項目は経験年数の6年以下群も7年以上群も「子宮頸管展退度」であった。一方、両群ともに「児頭下降度」の正解率が最も低かった。全項目の平均では約50%の正解率であった。5項目を総合すると、経験年数、分娩介助件数と有意な関係は認められなかった。これらの結果は、国内外の先行研究と同様の結果であった。以上の結果から最も正解の低い「児頭下降度」の診断について、教育・臨床現場でどのように習得するかを考えることが重要である。
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