高齢期の健康維持には,自立生活に必要な能力「生活機能」の定量的把握と,機能低下の早期発見が必要である.現状,生活機能はアンケートを用いた調査により得られるが,適切なタイミングで調査が行われているとは言いがたい.一方,生活行動をモニタリングすることで,当事者にとって予期せぬ生活機能の低下を事前に検出しようという期待が高まりつつある.本研究課題では,日常行動パターンと生活機能との関連性の解明に貢献しうる技術として,IoT技術を活用し定量的な行動データを収集するIT基盤技術の実現と,その技術を用いた高齢者を被験者とする実フィールド調査の実施,また,詳細行動データに対する統計的分析手法の開発を行った.
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