研究課題
若手研究(A)
研究の目的造血幹細胞は骨髄中に存在し、未分化性を保ちつつ生涯にわたり血液細胞を供給しうる組織幹細胞である。申請者は骨髄中に存在する造血幹細胞の休眠状態を分子レベルで解析を行うことにより、造血幹細胞が線虫や冬眠するリスと同じ機構で休眠状態にあることを明らかにした。また、造血幹細胞の冬眠状態に維持にTGF-betaが重要であること,さらに骨髄中の非髄鞘シュワン細胞によるTGF-betaの活性化が造血幹細胞の休眠状態を誘導することを明らかにした。本プロジェクトでは申請者がこれまで報告してきた知見を基に、造血幹細胞を維持する骨髄微小環境の詳細を明らにすることにより、人工骨髄微小環境を構築し、in vitroにおいて造血幹細胞の未分化性を保つ培養法を確立することを目的とする。研究実施計画1)造血幹細胞を増幅させる培養条件として、数十種類の液性因子を造血幹細胞の培養液に加え、造血幹細胞が効率よく増殖する液性因子の条件をスクリーニングする。また、国内外で条件が違う造血幹細胞の培養液を国際基準にするために新しい、培養液の開発を行う。2)人工骨髄を作製するために、ブタの大腿骨をマイクロCTでデータ化し、その後3Dプリンターによりチタン素材の人工骨を作製した。今後、骨髄細胞を循環培養することにより、今回作製した人工骨髄培養器が骨髄そのものの環境を長期に維持できうるか、またその環境で造血幹細胞が維持できうるかを解析する。
2: おおむね順調に進展している
開始1年であり、動物や移植を用いた実験系が多いながらも、着実にデータを出し、その結果から得られるものが多いということから順調に進行していると言える。
本年度においても、同様な推進により研究を行っていく。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
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