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2015 年度 実績報告書

造血幹細胞の未分化性を維持する人工骨髄微小環境の構築

研究課題

研究課題/領域番号 25713037
研究機関東京大学

研究代表者

山崎 聡  東京大学, 医科学研究所, 助教 (50625580)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード造血幹細胞 / 骨髄ニッチ / 人口ニッチ
研究実績の概要

造血幹細胞は、骨髄内でCD34- c-Kit+ sca-1+ lineage marker- (CD34-KSL) の分画に高度に濃縮されていることが報告されている。当研究室では、CD34-KSL細胞(造血幹細胞)を、in vitroで1週間、未分化性を維持したまま増殖させることのできる培養系を確立している。しかし、現行の培養系には造血幹細胞を未分化に維持できる時間に限界があることから、生体内の骨髄環境を理解し、人口骨髄を作成することで、生体外においても半永久的な造血幹細胞維持培養系ができると仮定し、研究を行ってきた。
我々は現在までに、造血幹細胞を維持する骨髄微小環境の実態を解明するために、イメージング技術を組み合わせることでいつくかの研究成果を報告してきた。具体的には、
1)骨髄内における神経系と血管細胞の近傍に造血幹細胞が存在していること。2)神経系がニッチ細胞の候補であることから日内リズムが造血幹細胞に関係していると考えられたらが、以外なことにまったくもって関係しないこと。3)造血幹細胞特異的に蛍光タンパク質を発現するマウスを作成し、最先端な3次元イメージングを用いることで決定的な骨髄微小環境の構造を示した。これらの報告から我々は研究当初の目的をはるかに上回る実績を積み重ねることができた。次年度は人口骨髄を構築するユニットを工学系研究者と共に進めていくことで、最終的な目標を達成したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨髄の透明化技術や3次元イメージングの構築を行うことで骨髄全体の構造を解析可能にした。またこの結果から急速に様々な情報を回収することで、加速的に研究が行えることができる。

今後の研究の推進方策

すでに我々は骨髄構造データをもとにし、3Dプリンターを用いることで人口骨髄培養器を作成している。
今後はその培養器により造血幹細胞の長期培養方法を試す予定である。

次年度使用額が生じた理由

最終年度の研究に消耗品を多く用いたいという理由

次年度使用額の使用計画

免疫染色などの研究に用いる抗体試薬の購入に用いる

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Hoxb5 marks long-term haematopoietic stem cells and reveals a homogenyous perivascular niche2016

    • 著者名/発表者名
      Chen JY, Miyanishi M, Wang SK, Yamazaki S, Sinha R, Kao KS, Seita J, Sahoo D, Nakauchi H, Weissman IL
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 11 ページ: 223-227

    • DOI

      0.1038/nature16943.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A Safeguard System for Induced Pluripotent Stem Cell Derived Rejuvenated T Cell Therapy2015

    • 著者名/発表者名
      Ando M, Nishimura T, Yamazaki S, Yamaguchi T, Kawana-Tachikawa A, Hayama T, Nakauchi Y, Ando J, Ota Y, Takahashi S, Nishimura K, Ohtaka M, Nakanishi M, Miles JJ, Burrows SR, Brenner MK, Nakauchi H.
    • 雑誌名

      Stem Cell Repots

      巻: 16 ページ: 597-608

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2015.07.011. Epub 2015 Aug 28.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Cell Adhesion Minimization by a Novel Mesh Culture Method Mechanically Directs Trophoblast Differentiation and Self-Assembly Organization of Human Pluripotent Stem Cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Okeyo KO, Kurosawa O, Yamazaki S, Oana H, Kotera H, Nakauchi H, Washizu M.
    • 雑誌名

      Tissue Eng Part C Methods

      巻: 10 ページ: 38-65

    • DOI

      10.1089/ten.TEC.2015.0038. Epub 2015 Jun 5

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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