アンジオテンシンII(Ang II)によって引き起こされる十二指腸における鉄代謝関連蛋白質の発現変化、肝臓におけるヘプシジン産生および生体内鉄量への影響について検討した。Ang II投与により、血清hepcidin-25濃度は低下しており、十二指腸におけるDMT1ならびにFPNの発現は増加を認めた。また、腎臓とマクロファージにおける鉄濃度はAng II投与群において増加を認めた。Ang IIは、ヘプシジンを介した十二指腸鉄輸送体制御に関与し、生体内鉄分布を変化させることで生体内鉄代謝に関与することが明らかとなった。Ang II阻害は、生体内鉄代謝謝異常の是正に有用であると考えられる。
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