近年,我が国において電力システム改革が求められており,電力市場全面自由化へのさらなる施策が必要である.そこで本研究では,火力電源入札制度と容量メカニズムに着目し,それぞれの施策の下での発電事業者の投資決定に関する分析を行った.火力電源入札制度に関する研究においては,入札価格の低下に伴いリプレースは促進される一方で,入札価格の過度な低下はリプレース機会を減少することが明らかとなった.容量メカニズムの研究では,電力価格と容量価格両方の不確実性の影響について分析し,特に,電力価格の不確実性が小さい場合,容量市場を考慮した場合の投資オプション価値は考慮しない場合よりも大きくなることが明らかとなった.
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