傾斜地における火炎及び熱気流性状は、火災安全工学上、最も基本的な性状の1つである。本研究では、まず火災プルーム中心軸を定義して、中心軸上の温度と火源からの距離の関係について検討した。その結果、傾斜角度10°を境にその性状が大きく変化し、傾斜角度が大きくなるにつれて間欠火炎領域とプルーム領域の区別が温度的につかなくなることを示した。またx方向およびz方向の温度分布については、傾斜角度10°を境に性状が大きく異なり、z方向の温度分布は傾斜角度が大きくなるにつれてその幅を狭める反面、x方向へはその幅を広げる性状が確認されたとともに、斜面上での温度分布が対数正規分布を仮定して整理できる可能性を示した。
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