骨粗鬆症診断を目的とした超音波骨量測定では,超音波検査用ジェルを介して超音波振動子を踵側面に接触させて踵骨内の音波伝搬速度や減衰特性を計測する.本研究では,空気中から超音波を照射し,踵を透過した超音波を検出・評価することで,非接触で骨量測定を行う手法について検討を行った.空気中,生体,空気中と音響特性が大きく異なる物質間を伝搬し,著しく減衰した透過波を検出するため,擬似ランダム符号の一種であるM系列を用いたパルス圧縮を適用した.さらに,踵側面における超音波の屈折を考慮し,振動子の向きを制御することで,80~90 dB減衰した透過波の検出に成功した.
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