肺高血圧症及び右心不全における骨格筋の萎縮過程を確認した。右心不全の時期では、遅筋、速筋ともに、ユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・ライソソーム系によるタンパク分解の亢進と筋萎縮が生じた。一方、右心不全に至る前段階である肺高血圧症の時期では、遅筋、速筋ともに筋萎縮は生じなかったが、速筋においてのみ、タンパク分解の亢進が確認された。このタンパク分解の亢進は、病期の進行に伴う動脈血酸素飽和度の低下が出現する前から生じていた。また、動脈血酸素飽和度が低下した時点から高酸素を用いた介入を実施した場合、高酸素の有効性は確認できなかった。
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