本研究では,サッカーにおいて様々な条件で配球されるボールをダイレクトシュートした際のパフォーマンスの変容を分析した.その結果,転がるボールの速度が大きくなるほど,または飛んでくるボールの高さが高くなるほどキックの難易度は上昇し,ボール速度およびキックの正確性の両面でパフォーマンスが低下した.さらに,これらのパフォーマンス低下は,主にキックの最終局面であるボールインパクトの不正確さに起因していた.このことから,向かってくるボールの勢いを利用できるダイレクトシュートの場合,パフォーマンス改善のためには速度よりもインパクトの正確性を重視したスイング動作をとるべきであることが示唆された.
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