本研究は、競泳中上級者のプール底への衝突事故を防ぐための姿勢制御メカニズムの解明を目的とした。競泳男子選手13名を対象に水上と水中の運動情報を収集し、スタート台からの離台時(跳び出し時)と入水時の胴体の角度と頭部の水中での最深点との関係を検討した。 その結果、いずれの時点ともに頭部の最深点との有意な相関関係は認められず、競泳中上級者は入水後の姿勢変化の影響がプール底への接近に強く影響を受けていることが示唆された。この結果、中上級者の競泳の飛び込み指導の際には、入水前の陸上での動きのみでは十分に事故回避の安全指導は難しく、水中での動きも評価することの重要性が示された。
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