本研究では、女性スポーツ選手の競技・日常ストレスモデルを構築し、女性スポーツ選手特有の3主徴(Female Athlete Triad: FAT)の予防や改善のためのストレス対処方略を検討することを目的とした。研究の結果、ストレッサーを知覚した際に、「人間的に成長した」、「いい経験をした」などとストレス体験後の成長を認識することが、ストレス反応の無気力感や対人不信感を抑制することが明らかとなった。特に、FATを発症している場合は、ストレス状況を過度に深刻に捉えすぎず、「うまくいかないこともある」と楽観的に捉えることにより、無気力感や抑うつといった心理的ストレス反応が低減する可能性が示唆された。
|