複雑さ・正確さ・流暢さの指標(CAF指標)は発話能力を客観的・量的に測る指標として第二言語習得や言語テストの分野で広く応用されている。流暢さに関しては解釈や測定方法が研究者によって非常に多様であるが、指標の特徴を検証したものは少ない。そこで本研究では先行研究で用いられている多様な流暢さの指標を整理し、3つのタイプ(言い直し等の非流暢さ、速さ、ポーズ頻度)について日本語学習者の発話データを用いて構成概念妥当性の検証を行った。その結果、非流暢さの指標は複雑さ・正確さとは異なる傾向が得られた。さらに、非流暢さとポーズ頻度の相関関係が認められないことから同じ構成概念を示すとは言えないことが示唆された。
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