最終年度は、これまでの研究成果を論文にまとめ、公表する作業を中心として研究を進めた。研究成果は書籍化することを計画しているが、書籍化に足りる分量の論文・資料としてまとめることはできなかった。出版社に相談したところ、書籍化する原稿のうちの一部のものについては、公表済みのものであってもよいということのため、一部(英国FCAによる証券規制のエンフォースメントに関するもの、証券アナリストの利益相反規制に関するもの、EUのフェア・ディスクロージャー規制に関するもの)を公表することとした。 EU証券規制のうち不公正取引等の分野において、規則・指令の改正があったため、その改正の経緯・内容を調査結果に反映する作業を進めた。しかし、これらの改正を反映した各加盟国での運用制度(EU規則を実施するための詳細な規則やガイドライン等)の内容、各加盟国における新指令の解釈等が出揃うまでには、いましばらく時間がかかりそうである。改正のあった規則・指令に関わる部分については、これらが出揃ってから、その内容を反映させるために現在の原稿に修正を加える必要があり、その作業を終えるまで公表できない。 EUの証券規制の調査に用いた主要な書籍が改訂されたため、改訂版を入手し、変更のあった部分を調査結果に反映する作業を進めた。
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