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2015 年度 実施状況報告書

産学連携と高等教育:博士人材の質向上と企業ニーズとのミスマッチ解消

研究課題

研究課題/領域番号 25780158
研究機関学習院大学

研究代表者

西村 淳一  学習院大学, 経済学部, 准教授 (40612742)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード高等教育 / 研究室教育 / 産学連携 / 博士研究者 / キャリアパス / 特許 / 学術論文
研究実績の概要

第一に、アンケート調査対象の研究者データベースを構築した。当初は1999~2001年に博士号を取得した研究者に分析対象を絞ることを考えていたが、近年の研究室教育の動向とも比較をしたいと考えたため、国立国会図書館と国立情報学研究所CiNii の博士論文データベースを基に、1999~2001 年および2010年に博士論文を提出し、理学、工学、薬学の分野において博士号を取得したと考えられる研究者リストを作成した。その結果、1999~2001 年に博士号を取得した方のうち1077 名、2010 年に博士号を取得した方のうち1268名をアンケート調査対象(母集団)とした。
第二に、「大学院博士課程における研究室教育に関するアンケート調査」を実施した。アンケート調査は主にウェブ調査として2015 年11 月中旬から2016 年1 月末まで行った。回答状況は概ね良好であり、全体として760 名(回収率32%)の方から有効な回答を得た。1999~2001 年に博士号を取得した方については326 名(回収率30%)、2010 年に博士号を取得した方については434 名(34%)の方から回答を得ることができた。
第三に、集計結果を報告書として取りまとめ、回答者にフィードバックを行った。報告書では、博士号取得年代別の集計結果を主にまとめているが、今後の分析の指針やデータの問題点についても述べており、回答者からの意見も頂いた。特に、今後の計量分析のためのモデルを提示し、また、客観的な研究業績データの活用方法についても述べた。複数の回答者には、今後の分析に有用と考えられる研究業績等をまとめたCVファイルの提供も頂いた。最後に、大学偏差値データ等の関連するデータの収集と文献の調査と整理を実施し、今後の研究に有益な知見を得た。
これらの基礎データと資料は今後の実証分析に欠かすことができないものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度予定していたアンケート調査の実施と集計表の作成、フィードバック(報告書の作成)について順調に進展していると判断できる。まだ検討すべき点はあるものの、アンケート調査をベースとした計量分析モデルについても構築した。
第一に、アンケート調査票の作成とその実施を行い、分析に耐えうる十分な回答数を得ることができたのは研究が大きく進展したことを意味する。
第二に、調査票の集計結果を報告書として取りまとめ、回答者へと送付作業を行った。その際、複数の回答者から研究業績一覧表等のCV情報も提供して頂いた。
第三に、出身研究室の属性、産学連携への取り組み、キャリアやモビリティ、研究開発成果に関する分析モデルの構築を行った。ここでは、博士研究者自身の素養や基礎能力を考慮して分析する必要がある。
本年度は、当初予定していた博士号取得研究者の調査対象者を拡張したため、アンケート調査の実施と回収が幾分遅れ、計量分析のためのデータベース構築までに至らなかった。しかし、調査対象となる博士号取得研究者のバラエティーが増加したことによって、年代別の比較分析も可能となり、多角的な分析を行うことが今後期待できる。
以上の点から、来年度に、研究室教育と博士人材のパフォーマンスの関係を計量分析するための準備が進んでおり、本年度の達成度はおおむね順調であると考える。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、収集されたデータとモデルを利用して、計量分析用のデータベースの整理と統合、分析の実施、結果の解釈、そして論文の執筆作業を行う。
第一に、アンケート調査より得られたデータ分析について、現時点では、まだ単純集計のみであるが、今後、クロス集計表の作成、さらには計量分析のためのデータ整理と統合を行う。また、研究者レベルで外部データ(大学偏差値データ、特許、学術論文等)との接続も行う。
第二に、構築されたデータベースを利用して分析を開始する。計量分析自体はソフトウェアを利用するため、時間はあまり要しないと考えられるが、分析結果の解釈や、モデルの改善等の作業を分析過程において相互に行っていく。
第三に、論文の執筆作業を行う。来年度中に、幾つかのワークショップにて研究成果の発表を行い、コメントや指摘を盛り込むことで、最終的には査読誌に投稿できる水準まで引き上げていく。

次年度使用額が生じた理由

研究者の業績データを入力する学生アルバイトの都合により、一部作業をカットしたため。

次年度使用額の使用計画

引き続き、研究者の業績データベースを構築するための学生アルバイトの雇用に利用する。

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公開日: 2017-01-06  

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