本研究の主題は衰退市場における企業行動の分析であり、①新旧製品を同時に販売する企業の価格付けに関する理論的分析、②比較優位による市場退出の理論的分析、③マイクロデータを利用した衰退市場の実証分析から構成される。 研究成果は次の通りである。①一企業が同時に新旧製品を販売しても旧製品価格が上昇すること、複占価格競争では先導者・追随者構造が旧製品を販売する理由となることを示した。②1960年代米国白黒テレビ市場を分析し、反ダンピング制度導入の経済学的正当性を示した。③東日本大震災による福島県産農作物に対する需要衰退と、度重なる品質安全性の問題で需要衰退に直面した中国産輸入食品のデータを収集・分析した。
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