本研究は、人々が倫理的行動・環境配慮行動をとるようになるメカニズムを解明することを目的とする。具体的には、業務上の環境活動が家庭での環境行動に正のスピルオーバーを与えるという仮説を、民間企業勤務者へのアンケート調査によりデータを収集して検証した。計量分析の結果、スピルオーバー効果は広い範囲の環境行動に頑健に観察されることが明らかになった。また、勤務先企業が環境対策に熱心であると、自分がそのような集団の一員であるというだけで、職場で実際に環境活動に従事していなくても家庭における環境行動へのスピルオーバーが引き起こされるケースが多いことも分かった。
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