本研究では、中央研究所主導の研究開発や事業部主導の研究開発といった、研究開発活動の場所や配置が、問題解決プロセスや開発成果にどのような影響を与えるのか、またその影響を与えるメカニズムはどのようなものかを明らかにした。事例分析からは、組織上の配置に起因する、研究開発者の志向性や事業部門からの情報量が、研究開発者による問題解決プロセスに影響を与え、開発成果に違いを生み出すことが示された。質問票をもとにした定量分析からは、研究職と開発職との間に志向性に有意な違いが存在し、そうした違いが問題解決プロセスや研究開発成果に影響を与えることが明らかになった。
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