研究課題/領域番号 |
25790017
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大橋 弘範 九州大学, 基幹教育院, 助教 (80457829)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 担持金ナノ粒子触媒 / 硫化金 / XAFS / 酸化アンチモン |
研究実績の概要 |
通常、不均一系触媒である担持金触媒を調製するためには、金(III)イオンを担体にする金属イオンとともに水酸化物とし、その後焼成する方法(共沈法)や、担体の金属酸化物表面に水酸化金(III)として沈殿させその後焼成する方法(析出沈殿法)がよく用いられている。これらの共通は、金(III)イオンを水酸化物として沈殿させることであり、狭いpH領域(pH~9)に調整する、もしくは誘導するために沈殿形成剤として炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムを用いている。しかしこの条件では、酸性担体が溶解してしまうために、担体効果を考える上で障害になっている。研究代表者はこの点を改善するために、簡便な方法として硫化物析出沈殿法(SDP法)を用いて。酸性担体へ金を担持させる方法を開発した。この方法の応用として、硫化物共沈法(SCP法)を開発している。これの適用範囲について、主にアンチモン酸化物について検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終的に担体効果を把握しなければならないが、適用できる酸性担体が少ないため、典型元素酸化物に拡張する作業をおこなっている。典型元素は酸塩基に対して非常に複雑な挙動を示すため、通常の方法では金の担持が進行せず、新規方法を開発するに至っている。 また、メスバウアー分光測定が政府の施策の関係で全く行うことができなかったため、次年度の測定機会を期待する。
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今後の研究の推進方策 |
金の担持料の最適化が、現時点で必要であるのは変化がなく、引き続き他の分光法を試しつつ、本研究課題の内容が活かせるギリギリの所を狙うつもりである、具体的には、担持料を1wt%にかぎらず、共沈法を絡めて高くすることを考えたい。その上で、メスバウアー分光法やX線吸収分光法を多用して、キャラクタリゼーションを行うことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の共同研究者のご厚意で、XAFSの測定費用を年収るしていただいたこと、京都大学原子炉実験所の稼働状況の関係で、測定予定だったものが次期にずれ込み、その関連費用が次年度に繰越されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
京都大学原子炉実験所における実験にかかる触媒調製費用と旅費、実験設備の購入に当てるつもりである。
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