本研究課題の目標のひとつは,球面の次元と,球面上の有限集合の濃度を固定した時に,最小距離を最大にする配置は何かという,最適球面コードの問題に進展を与えることであった。球面有限集合において強力な手法として知られていた線形計画限界(Delsarte's method)の,正則グラフでの「双対化」に成功した。正則グラフのスペクトル(隣接行列の固有値)には,球面上の有限集合の距離と,ある意味で双対な関係がある。球面コード(球面上の有限集合)と正則グラフの間で,同様の結果が期待でき,互いに影響し合いながら発展することが期待できる。
|