有理点問題は、多項式を用いて表される方程式の有理数解および固定された体における解を求めることと関連しており、数論における基本的課題である。一方、モジュライの有理点問題は、モジュライの定義方程式の解を求めることに加えて、有理点と対応する幾何的対象を分類するという意味合いもあり、数論幾何における重要課題である。 本研究により、アーベル多様体から定まるガロア表現の中に起こりうる指標の可能性を、従来知られているより広い範囲で決定した。さらにその結果を用いて、アーベル多様体のモジュライの一種である志村曲線の有理点を決定する方法を得た。具体的な数値例も得て、研究成果の可視化も進めることができた。
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