本研究は 2 つの課題に対して以下のような結果を得た. (1)トーリック・ファノ多様体において,運動量写像の像の多面体の重心に対する極双対に相当すると期待されるファノ多面体の不変量を用いて(技術的な仮定のもと)ケーラー・アインシュタイン計量の存在性(または K 安定性)がより簡単に確かめられることを示した. (2)Donaldson による偏極多様体上の定スカラー曲率ケーラー計量の balanced 計量を用いた量子化を,微分幾何的なアプローチで端的ケーラー計量の場合に相対的 balanced 計量を用いて拡張した.特に端的ベクトル場に対する量子化を与えた.
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