本研究では、凸関数や凸集合に適した解析学である凸解析学と非線形写像に対する不動点理論を用いることにより、種々の非線形問題の解の存在性と解の近似法に関する研究を行った。特に、ヒルベルト空間やバナッハ空間などの無限次元線形空間における非線形写像の不動点の存在性と不動点近似列の収束性を中心とした研究成果が得られた。さらに、その成果を凸最小化問題や単調作用素の零点問題などの非線形問題に応用し、それぞれの問題の解の存在性と解の近似法を研究した。また、線形構造を持たない測地的距離空間における凸最小化問題と不動点問題の関係についての重要な成果も得られた。
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