スピン偏極陽子による低エネルギー核反応を用いた不安定核研究を実現するため、高温低磁場で動作する偏極陽子固体標的の開発を行った。真空中で安定なp-タフェニルを材質とした標的を製作し、高温での昇華を用いた薄膜化手法を開発した。標的の性能向上のため、大面積化(直径24mm)を行い、新波長レーザー(556nm)の導入により高偏極度化を実現した。また、炭素9-陽子共鳴弾性散乱のテスト実験を遂行し、低エネルギー炭素9ビームの開発と、窒素10の質量など低位状態の性質を明らかにした。さらに大面積化した偏極陽子固体標的を用いて、中高エネルギーにおけるヘリウム6-陽子弾性散乱のスピン非対称を測定した。
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