外場下での分子の非断熱電子動力学を記述できる理論を第一原理電子状態計算プログラムに実装し、価電子欠損性に由来する高擬縮重電子励起状態と電子揺らぎが期待されるホウ素クラスターへ適用した。結果、不対電子揺らぎと反応性との相関及び、その基礎となる電子状態特性分類に関して次の知見を得た。(i) 揺らぎは状態密度の小さい低い励起状態で顕著 (ii) 高励起状態群における速やかな状態拡散と不対電子揺動の抑制 (iii) 励起状態の高低に応じた非断熱的電子状態混合の違いが電子位相緩和情報へ明確に反映される事 (iv)電子構造異方性に応じ反応性と不対電子活性が協奏してレーザー分極方向に依存する事。
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