会合誘起発光性色素を用いた蛍光センサ開発により、ATPやNADPH等のヌクレオチド類や代謝疾患のマーカーとなるジカルボン酸群固有の化学構造情報が、自己集合過程を経て、蛍光応答に変換される、自己集合を利用する分子情報変換システムを確立した。これは、自己集合を、分子組織体を構築するための「ボトムアップツール」から、分子構造情報を分子組織体に変換する「変換システム」と捉え直すことで達成され、従来の1:1ホスト-ゲスト結合に基づいたメカニズムとは異なる、自己集合という変換システムを活用した蛍光センシング系の提示に至った。
|