本研究の主な成果は、 [NiFe]-ヒドロゲナーゼの宿主ベクター系による発現系構築に成功した事である。[NiFe]-ヒドロゲナーゼは複雑な翻訳後修飾によって活性型と成熟するため、大腸菌などを宿主とした発現系による組換えヒドロゲナーゼ蛋白質の作製が困難であった。しかし、[NiFe]-ヒドロゲナーゼ構造遺伝子をベクターに挿入し、翻訳後修飾関連遺伝子を宿主ゲノムに組み込み、両者の発現量を調節することで、ヒドロゲナーゼを活性型として発現させる事が可能であることを実証できた。また、この発現系では、簡便にヒドロゲナーゼへの変異導入ができるため、蛋白質工学に欠かせない変異ライブラリーの作製を可能となった。
|