近年注目を集めている長周期地震動や,巨大地震動を免震構造物が受けた場合に,過大な応答変位を受ける可能性が指摘されている。また,一般的な速度依存型ダンパーでは巨大地震には対応できても、中小地震時における免震効果が低減してしまう. このような問題に対して,申請者らは複素剛性の特徴である楕円形履歴特性に着目し,複素剛性を実時間領域で模擬するために2種類のデジタルフィルタを磁気粘性流体ダンパーに用いた制御を提案した。数値解析の結果から、その提案制御によって複素剛性を精度よく模擬できること、また提案制御を導入した免震構造物の免震性能を明らかにした。
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