本研究では、鉄筋コンクリート部材において、劣化抵抗性が低い可能性が高い内部欠陥の豆板(ジャンカ)が、劣化速度に及ぼす影響について把握することを目的として、模擬試験体を用いて中性化促進実験および吸水乾燥繰り返し実験を行った。その結果、豆板の存在により中性化が深さ方向に対して空間的・時間的に不均質に進行すること、本研究の範囲においては多くが1.0倍から2.5倍程中性化が速くなり、5倍以上となるものも確認されたこと、ばくろ面側より先に内部に存在する豆板部の中性化が進行することが確認された。また、豆板が表層より内側にあるほど、吸水乾燥繰り返し時の含水率の変動が大きくなることが観察された。
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