本研究では、半屋外環境を環境グレードの区分として定義し、建築温熱環境計画における位置づけを整理した。外乱による環境変動をあえて許容し、滞在者自身による温熱環境への適応も考慮して、建築・設備による一体的な熱的快適性の実現を目指す点に半屋外環境の特徴がある。これまで筆者らが行ってきた公共空間及び駅空間の熱的快適性調査のデータを統一した手法により再整理した。非空調駅ではSET*で19~29℃、空調駅では23~29℃となることを導いた。また、非空調公共空間では14~32℃、アトリウムでは18~30℃となった。これらの結果は、用途や気候といった文脈要素が類似していれば他の空間にも適用できると考えられる。
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