本研究では、表面改質剤の自発的な表面濃縮を利用した高分子材料の表面改質を目的としており、その中でも特にゴム材料に着目し研究を行った。撥水撥油性の高いフッ素系化合物と炭化水素系化合物との共重合体を合成し、ゴムへ添加したところ、撥水撥油性が向上することが明らかとなった。さらに、表面の化学状態を分析したところ、ゴムの最表面に合成した共重合体が濃縮していることが明らかとなった。また、フッ素部位と親水性部位を有する共重合体も合成し、ゴムに添加したところ、ゴム表面の撥水性が低下する(親水性が増す)事が明らかとなった。以上の結果より、本研究で提案した表面改質法の可能性と指針を得ることができた。
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